OMDUって知ってる?

Orcs Must Die! Unchained(通称OMDU)とは、Robot Entertainmentが提供する、三人称視点タワーディフェンスゲームである。

ちょっと待って?

タワーディフェンスってつまり

防衛ゲームというのは本来、上視点か俯瞰視点でユニットを配置し、迫りくるミニオンに対してユニットが自動ないしはそれに準ずる形で攻撃を行うゲームである。一体どういったゲームなのだろうか。

これこそがこのゲームの魅力

このゲームはプレイヤーがTPSしつつ、壁、床、天井にトラップを張り巡らせるゲームなのだ。筆者はゲームにおける臨場感をとても大事にしていて、プレイヤーは常に自分で動かしていたいという気持ちがある。ただ単純にタワーディフェンスをしているだけではフラッシュゲームの二番煎じのようなものだし、その上PCは洋ゲー特有のおっさんおばさんである。作業ゲーと化しやすい防衛ゲームにおいて、このゲームは飽きさせない緻密な工夫がなされている。

いかにもな敵

このゲームで登場する敵は、人間を殺すのはいけないが人間でなければ幾らやっても良い、という洋ゲーを体現するミニオンである。グラインダーに引き裂かれたり、火あぶりにされたり、酸や奈落に落とされる可哀想な奴らだ。少し紹介する

オーク・ウォリアー…このゲームで最も出現する雑魚。小・中・大といるがあまり変わらないと思ってる。

オーク・アーチャー…前作でクロスボウまでしかいなかったから安心してたらTNTを持ち始めた。かなり面倒な奴

ゴボルト…ひたすらリフトめがけて走る。HPはゲーム中最低。

オーガ…殴られるとスタンする。HP高め

トロル…正常時に自動回復する。HP高め

エレメンタル…倒すと分裂する。タールが効かなくなった。

これに毛が生えた性能の奴らがボスだったりする。

バリケードの概念

大概のタワーディフェンスは用意された道を敵が通ることになるだろう。その用意された道が増やされたとしてもせいぜい三通りくらいではなかろうか。しかしこのゲームはバリケードという防御系トラップを設置することで、ミニオンの移動方向を制限することが出来るのだ。これにより、どこを固くしてどこを薄くするかという戦略の幅がかなり広がるのだ。(2では全ての道を塞ぐとバリケードを壊せないミニオンもどこかを壊してやってくるという仕様が、Uで塞げなくなるという地味なアップデートを見せた。)

前作からの大幅アップデート

OMD,OMD2について

ところで、OMDシリーズは今まで2作出ていた。主人公のマクシミリアンのみが操れた1、寝返ったPCのガブリエラと2キャラかつcoopができるようになった2である。

1の雑なバランスを2で上手くまとめたものの、2もステージの少なさやクラッシュなどに悩まされた。何よりPCが非常に少なく、立ち回りは変えられるが適切な解は一通りという微妙な感じが否めなかった。

イライラ要素

2で面倒だったものの一つに空中ミニオンというものがある。成程3Dでタワーディフェンスをするならそれも面白いだろうと言って作ったのはいいが、調整がされていないので例えば特定のトラップを持ち出さざるを得ない、そしてプレイヤーも上にエイムして撃つという、視点の関係上何をしているかよくわからない状況が生まれ、爽快感に欠けた。

進化した"U"

しかし、転機はいきなり訪れた。なんとUはPCが15以上使えたのだ。タンク、DPS、遅延、金を稼ぐキャラなど、戦略の幅が大きく広がったのだ。これにより、新たなPCでステージをクリアするという楽しみで、何週も同じマップで遊べるようになった。また、キャラごとの最適解も異なった。例えば列で攻撃するのが得意なPCは一列に敵をそろえてそれ用の罠を敷き、範囲攻撃が得意なら、S字にバリケーディングし、天井の罠などで対処した。

また、空中ミニオンに関しても一時的か恒久かはしらないが、削除することでそういった不満にも対応してくれていた。

そして、戦闘中のレベルアップ以外にもプレイヤーアカウントにもレベルを付与した。これは対戦時に差が出るため賛否両論であったが、エンドコンテンツとしては悪くなかったように思えた。

さらに

おまけにこのゲーム、作りにくいであろう対戦モードまで作ってしまった。人呼んでsabotage(サボタージュ)である。何故さぼるのかは知らないが、簡単に説明すればぷよぷよである。ウェーブの開始時に持っているカードの中からランダムに3枚が生成され、そのターン内にカードを相手に対して発動できるというものである。ミニオンを敵のマップに送り込んだり、相手をデバフさせたりと効果は様々だが、これも戦略性の高いものであった。

さて、通常のモードでは遅延というのは時間評価があるため弱いが、このモードではいくら時間がかかっても良いのだ。すると遅延系のキャラでも輝くのが面白いところだった。序盤、中盤、終盤に強いキャラを3vs3で選び。それぞれの世界で守りきる、非常に面白いモードだった。

筆者は数ヶ月でLv.100。課金スキンを除き全てをコンプリート、計800時間をプレイした。ランクはブロンズからダイヤモンドまで各5段階であったが、二番目のプラチナ4まで行ったところでまさかのサービス終了のお知らせが届いてしまった。

宣伝を怠ったRobot Entertainment

どう考えてもこれしかない。スチームの無料ゲーム欄から必死に漁ってようやく見つけたレベルのものだ、当初はやってみて面白かったら続けよう程度でここまで面白い作品も珍しい。現代の市場における宣伝の効果がいかに大きいか思い知った次第だ、運営でもないのに…

Robot Entertainmentの次回作にご期待ください!

次回作は2020年夏リリースと言われているOMD3だ。こちらはオンラインゲームではないので無くなる心配もない。アップデートされたOMDを楽しもうではないか。